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Age of Sail
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礼装用軍刀(Dress Sword) anchor.png

1748年に制服規則が出来ますと礼装用軍刀(Dress Sword)が登場します。

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スモール・ソード(Small Sword) anchor.png

18世紀始め貴族やジェントリの間ではスモール・ソード(Small Sword)というレイピアを小型軽量化した剣が護身用、決闘用として佩用されていました。1748年に王国海軍初の制服が出来ると、それ以前から使われていましたが正装時王国海軍士官も礼装用軍刀(Dress Sword)としてスモール・ソード(Small Sword)を佩用するのが一般的になりました。
スモール・ソードは刀身が32インチと長く刃の断面が三角形のもので両刃でしたが主に刺突に向いていました。鍔、グリップ、護拳は銀で作られている場合が多く、純銀の証ホールマークが刻印されていました。

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海軍中将Richard Kempenfelt (1718-82)のスモール・ソード(Small Sword)です。1764年製
柄(Hilt)は、全て純銀製で1763/4年のホールマークの刻印があります。


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海軍中将Cuthbert Collingwood (1750-1810) のスモール・ソード(Small Sword)です。1770年製
護拳(Knuckle-guard)、鍔(Quillon)、柄頭(Pommel)は、金メッキされています。このスモール・ソード(Small Sword)は鍔元の刀身(Blade)が幅広いことが特徴です。

ボライソー・シリーズで主人公リチャード・ボライソーが受け継ぎ、アダム・ボライソーが引き継ぐ、ボライソー家家伝の古めかしい剣がこのスモール・ソード(Small Sword)です。
TV映画「ホーンブロワー」第1シーズン4話冒頭で、主人公ホーンブロワーが仕立屋で身につけているのもこのスモール・ソード(Small Sword)でした。

 
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5ボール柄礼装用軍刀(Five-ball hilted dress swordt) anchor.png

1790年になりますと礼装用軍刀(Dress Sword)は5ボール柄(Five Ball Hilt)と呼ばれる、1786年制式歩兵士官軍刀と同じ形の軍刀が王国海軍士官に好まれるようになりました。この軍刀は八角形の柄頭(Ponmel)を持ち、グリップ(Grip)は象牙製でグリップの中央の金属の帯に「絡み碇」のマークが刻まれており、鍔(Quillon)、護拳(Knuckleguard)に5つの小さなボールがあしらわれていたことから5ボール柄(Five Ball Hilt)と呼ばれました。柄頭(Ponmel)、護拳(Knuckleguard)、鍔鍔(Quillon)は真鍮製で金メッキされています。直剣、両刃で、刀身(Blade)の長さは30インチ、幅1 1/8インチで、切り裂き、刺突することが出来ました。
このタイプの剣は米国海軍士官、フランス海軍士官にも人気で、英国から数多く輸出されています。
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1805制式軍刀(1805 Pattern Sword) anchor.png

流行があったとはいえ王国海軍士官の礼装用軍刀(Dress Sword)は私物、各自の好みの物を佩用していたため、儀式等で集まった時、制服はある程度揃っているのに、佩用する軍刀はバラバラという状態でした。そこで1805年8月4日海軍本部は、王国海軍初の軍刀の規定を行い指示しました。ところが文書が残って無いのです。現存する1805制式軍刀は、柄(Hilt)は1796年制式軽騎兵士官用軍刀のあぶみ柄(Stirrup hilt)に良く似ており横から見ると護拳(Knuckleguard)が逆P文字状、刀身(Blade)は片刃の直剣、切っ先は擬似刃となっており、切り裂き、刺突することが出来ました。柄頭(Ponmel)はライオンの頭の模様が、langetsには「絡み碇」のマークがあります。1812年以降に製作されたものは制服のボタン同様、「王冠に絡み碇」のマークとなっています。
1825年制服規則の改定と共に1825年制式軍刀に改定されています。 1805制式軍刀(1805 Pattern Sword)は文書で形状を規定しただけのようで、現存する物は刀身(Blade)の長さがまちまちです。

仕上げは士官のランクによって異なっています。

  • 提督、海軍大佐、中佐用
    柄頭(Ponmel)、バックピース(Backpiece)、護拳(Knuckleguard)、鍔(Quillon)は金メッキ仕上げ、グリップ(Grip)は磨いた象牙で、3本の金メッキのワイヤが巻かれています。刀身(Blade)は青く染められおり、金メッキで模様が施されています。
    ネルソン提督がトラファルガー海戦時に帯びていた軍刀がこれで、現在はNELSON MUSEUMに展示されています。
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海軍少将Sir George Martin (1764-1847)の1805制式軍刀(1805 Pattern Sword)です。1805年製。
本来はこの画像の用に刀身(Blade)は、青く染められ、金メッキで模様が施されています。刀身(Blade)を青く染め、金メッキで模様を施すのはナポレオン戦争時代の王国海軍軍刀の特徴です。1827制式軍刀(1827 Pattern Sword)までは同様の装飾が施されていましたが、1847年に刀身(Blade)が全面的にWilkinson Sword製を採用されることとなってからは、施されていません。
その為か、刀身(Blade)を青く染める技法が失われ、現在では復元が出来ません。なので、現在作られ販売されている1805制式軍刀(1805 Pattern Sword)のレプリカは、刀身(Blade)が青く染められ、金メッキで模様が施されている物はありません。

 
  • 海軍少佐、大尉、士官候補生用
    柄頭(Ponmel)、バックピース(Backpiece)、護拳(Knuckleguard)、鍔(Quillon)は金メッキ仕上げ、柄頭(Ponmel)にライオンの頭の模様はありますが、グリップ(Grip)にはゴンドウクジラの皮が使われ、3本の金メッキのワイヤが巻かれています。刀身(Blade)には、両面に花の装飾および海軍の象徴がエッチングで彫り込まれています。
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  • 准士官用
    柄頭(Ponmel)、バックピース(Backpiece)、護拳(Knuckleguard)、鍔(Quillon)は金メッキ仕上げ、柄頭(Ponmel)にライオンの頭の模様は無く段がついています、グリップ(Grip)にはゴンドウクジラの皮が使われ、3本の金メッキのワイヤが巻かれています。刀身(Blade)には両面に王冠とロイヤル・サイファー「GR」、国王の紋章、花の束がエッチングで彫り込まれています。
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刀身長の比較 anchor.png

Blade001.jpg 上から
ハンティング・ソード(Hunting sword)1702年
スモール・ソード(Small Sword)1786年
スモール・ソード(Small Sword)1755年
5ボール柄礼装用軍刀(Five-ball hilted dress swordt)1795年

Blade002.jpg 上から
1805制式軍刀(1805 Pattern Sword)提督用、1805年
1805制式軍刀(1805 Pattern Sword)海軍大佐用、1805年
同じ規定で作ってこれだけ刀身長が異なります。制服規則同様曖昧な内容だったのでしょう。


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最終更新: 2015-08-16 (日) 12:28:34 (JST) (3386d) by 只野四十郎
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