Builders Old Measurment Tonnage
船倉の積載能力を表す「積載量トン(BURTHEN TONNAGE)」であり、王国海軍では1694年から1873年まで使用された。日本に洋式船が入ってきたときには既に使用されていなかったため、適当な訳語がない。当サイトでは「BMトン」もしくは「戴貨容積トン」と表記する。
「BMトン」は、以下の式で計算されるのだが、王国海軍軍艦と英国商船で計算式が異なった。
王国海軍軍艦計算式
BMトン = L x B x (1/2 x B) / 94*1
英国商船計算式
BMトン = (L - (3/5 x B)) x B x (1/2 x B) / 94
L = the length along the rabbet of the keel from the fore side of the stem beneath the bowsprit to the after side of the sternpost (船首バウスプリット下の船首材交点から下ろした垂線と船尾材後端から下ろした垂線の間のキールに沿った距離(フィート))
B = maximum breadth (最大幅箇所でのフレーム(FRAME(肋材))の外面から反対舷のフレーム(FRAME(肋材))の外面の水平距離(フィート))
適当な数字を入れて計算してもらうと解るのだが、王国海軍軍艦の公式のほうがBMトン数が大きくなる。商船はBMトン数によって課税されたため、トン数は少ないほうが良いためであろう。
上で述べたようにBMトンは船倉の積載能力を表すものであるので、現代の軍艦のように船の重量ではない。では当時の木造帆走軍艦の排水量トンはどの程度であったのであろうか、当時既に図面上で船の喫水を計算できていたので排水量も計算できたと思うのであるが、残念ながら当時の王国海軍軍艦を網羅したDavid Lyon著「The Sailing Navy List All the Ships of the Royal Navy -Built,Purchased and Captured- 1688-1860」にも記載は無い。 しかし、王国海軍現役軍艦であるHMSヴィクトリーの数字が参考になる。それによると、BMトンで2,162トン、排水量トンで3,500トンとなっている。