優遇爵位(courtesy title)
法的な効力は無いが、世襲貴族の子女、世襲貴族の配偶者の一部に与えられる爵位で、礼儀上そう呼ばれる。 世襲貴族の子女は、長男であっても、父親から爵位を受け継ぐか、自分自身が貴族に列せられて爵位を得るまでは、単なる平民である。しかし、世襲貴族の子女、さらにそれが男子の場合はその妻まで含めて社会的に区別するために、優遇爵位(称号)が与えられていた。
Lord 公爵、侯爵、伯爵の長男で父親の持つ爵位のうち下位のものを使用する資格を与えられたもの対する呼びかけ方。 高位の世襲貴族は通例複数の爵位を持っているが、普通は最高位の爵位しか使用しない。長男が父親の爵位を受け継ぐまで2番目の爵位を優遇爵位として使用していた。
例:ニコラス・ラミジ艦長は、ブレージー伯爵の長男であるため子爵位を名乗ることが許されていた。従ってロード・ラミジというわけである。
Lord 公爵、侯爵の次男以下の息子に対する呼びかけ方。ただし次男以下は相続人でないためか、称号は洗礼名と姓の間に前に付く。また、父親の爵位をひとつたりとも借りたりすることは許されなかった。
例:モールバラ公爵の3男であったサー・ウィンストン・チャーチルの父親は、ロード・ランドルフ・チャーチル
Lady 公爵、侯爵、伯爵の娘に呼びかけるとき、その洗礼名と姓の間につける称号。世襲貴族の次男以下と同等の扱いとなる。
例:モーニントン伯爵の娘であるバーバラは、レディ・バーバラ・ウェルズリー
また、「ロード」という優遇爵位の称号を持つ世襲貴族の配偶者に与えられる優遇爵位の称号でもある 例:自身侯爵の娘ではあるが、ロックリー侯爵の娘であるサラーは、ブレージ伯爵の長男であるラミジと結婚し、レディ・サラー・ラミジとなる。ラミジが父親の伯爵位を受け継ぐとレディ・ブレージー。
the Honourable 下位の世襲貴族、子爵と男爵の男女を問わず全ての子供に対する呼びかけ方。 また、伯爵の次男以下の男子に対する呼びかけ方。
例:モーニントン伯爵の次男である後のウエリントン公爵は、ザ・オナラブル・アーサー・ウェルズリー
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