Smoke 'n' Oakum
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Smoke 'n' Oakum
msg# 1はじめまして。HPの方もいつも拝見させていただいております。
早速で恐縮ですが、どうしても気になっていることがありまして
ぜひ教えていただけたらと思い、書かせていただきました。
タイトルの「Smoke 'n' Oakum」はサントラ盤に収録された曲の
名前なのですが、これはどういう意味なのでしょう。
我が家の貧相な英和辞典では「Oakum」が「まいはだ」であること
しか解りませんでした。
劇中では、「サプライズ」が「アケロン」の追撃をうけた際に
ジャックが「全速力で逃げろ」と指示をする場面で口にしている
ように聞えます。
ちなみにこの曲もこのシーンで使用されています。
よろしくお願いします。
Welcome aboard! Jo様
msg# 1.1Jo様、本艦へようこそ∠(^^)
返事が遅くなりまして申し訳ございません。
>劇中では、「サプライズ」が「アケロン」の追撃をうけた際に
このときの台詞は、「Run like smoke and oakum」です。
smoke and oakumでなにか意味が有るのかと思い調べたのですが、王国軍のスラング辞典、その他の資料を見ても載っていない、つまりよく解りません。しかし、それではつまらないので以下推測モードです。
oakumとは「まいはだ」と訳されますが、古いロープをほぐした植物の繊維です。舷側、甲板の板と板のつなぎ目の充填材として使用されます。で、これが燃えやすい、なにせ火口に使われるくらいですから。
煙(smoke)とoakumがあれば即火事に繋がる可能性大。木造帆船で火事は致命的、だから大特急で消さないといけない。そこで、「smoke and oakum」は大至急、大特急、全力とかいう意味が有るのではないでしょうか。違うかもしれませんけど。
同じく推測ですが
msg# 1.1.1申し訳ありません、私のこのカキコも推測でしかないのですが……。
手元のランダムハウスによれば、「like smoke」はまれにしか使わないものの、「たやすく、わけなく、たちまち、ぱっと」という意味だそうで、用例として、
On finding a cobra he ran like smoke. コブラに出くわすや彼は一目散に逃げた。
というものがあげられています。この用例だと「ran like smoke」は、「煙がたちまちかき消えてしまう」ように「一目散に逃げた」という意味のようです。
それから、『海軍将校リチャード・デランシー』シリーズの第2巻、『海からきたスパイ』の表紙折り返しに、原題(Devil to Pay)の説明があります。その中にoakumの説明がありまして……。
それによれば、oakum(まいはだ)は、 只野さんがおっしゃるように、古いロープをほぐした繊維で、艦側等のつなぎ目の充填材として使用されるのだけれど、これを埋め込んだだけでは、充填の意味がない。水に当たるとたちまちほぐれて散ってしまうから。だから、通常まいはだを隙間に木槌などで打ち込んだ後、溶かしたタール(ピッチ)を流し込んで埋めるのですが……。
水に当たるとたちまちほぐれて散ってしまう、という性質(ほぐした植物繊維なら、おそらく風にも飛ばされやすい)と、先の煙の例からいくと、これも「たちまち(風や水のために消えてしまう)」という例として使うことが出来るのではないか。
したがって、「Run like smoke and oakum」は、「サッサと逃げろ!」という意味ではないかと思うのですが……いかがなものでしょうね……ネイティブに聞いてみたいものです。
Re: 同じく推測ですが
msg# 1.1.1.1>潮さま、フォロー感謝です。
潮さまの説のほうが私のより良いですね。
Jo様、潮さまの説のほうを参考にしてくださいませ。
Re^2: 同じく推測ですが
msg# 1.1.1.1.1只野様、潮様、お忙しいなか、いろいろと調べて頂いて
どうもありがとうございました。
「Smoke 'n' Oakum」は、いわゆる「業界用語」なのでしょうね。
ジャックにムチを入れられたサプライズが、船体を軋らせながら
疾走してゆく姿が目に浮かびます。
タイヤスモークのようにまいはだの燻った煙がたなびいているような
気がします。そんなワケはないんですが(笑)。
海洋小説を読んでいると、あちらこちらに顔を出す「まいはだ」は
妙に馴染み深い存在ですね。
ホーンブロワーにも、足が細いのを気にしてストッキングのなかに
まいはだを丸めたアンコをふくらはぎに入れて体裁を整えたりする
シーンがありますが、テレビシリーズの中でもこのシーンがあって
笑ってしまいました。
船体の補修だけでなく、人体の補修にも活躍する優れものですね。(笑)
原作10巻では
msg# 1.1.1.1.1.1> 「Smoke 'n' Oakum」
原作10巻の「The Far Side of the World」では以下のように使われていました。
>They were used to the Captain; they had nearly all of them seen him cracking on like smoke and oakum and they were pretty nearly sure he had not finished.
(NORTON版 P.317 l.19)
ちなみに翻訳では
>乗組員達はこの艦長に慣れている。彼らはほぼ全員がこれまでにも、艦長がすらすらとクラック・オンするのを見ているから、これで終わりのはずがないと、やや確信に近い想いを抱いていた。
(「南太平洋、波瀾の追撃戦(下)」P.220 l.10~11)
どうやら高橋氏と高津氏は、「すらすらと」と訳したようですね。潮さんが書いていらっしゃる「たやすく」と「たちまち」を合わせたような感じなのでしょうか。
ちなみにクラック・オンは「crack on」で、「to clap on full sail; to carry all sail」(「A SEA OF WARDS」より)、つまり総帆を張(って快走す)るということになりますが、なぜここだけカタカナ表記なのでしょうね。
Re: 原作10巻では
msg# 1.1.1.1.1.1.1澪様、
原文もあたって頂いてありがとうございます。
この翻訳文だと、日本語の語感としては「いとも簡単に…」とか
「易々と…」「事も無げに…」+「クラック・オンしてのける」
というような感じですね。
原文の使われ方では【たやすく】説がすっきり理解できます。
アケロンの追撃を振り切ろうと次々とスタンスルを揚げてゆくシーンや
嵐のなかホーン岬を目指すシーンなどは、まさしくこの原作のなかの
一文が映像化されているのですね。
映画のなかのセリフとしての 「Smoke 'n' Oakum」は、「急げ」という
意味合いということですね。
現在の英語としては使われなくなっている言い方なのでしょう。
もしかしたら、海軍あたりではまだ使っているかもしれませんね。
RE:同じく推測ですが
msg# 1.1.1.2このツリーすごく興味深く読んでいます。
私の手元辞書では、oakumが載っていなかったですし、サントラを手にした時からずっとなんだろうと思っていました。
ふと「Run like smoke and oakum」の訳が思い浮かんでしまったので、横レスですが、書き逃げします。
「尻に帆かけて」・・・・逃げます、すみません。お騒がせしました。
告白
msg# 1.1.1.2.1ありのみ様、
…告白いたします。
> 「尻に帆かけて」・・・・
最初に頭に浮かびました…(自爆!)