Captain's Log
2010/05/16 日曜日
カテゴリー: Captain's Log, その他 | (閲覧 :2961) |

やっと念願のTV映画「I Remember Nelson」DVDが到着、観ることができました。「I Remember Nelson」のガン・デッキでの戦闘シーンはトラファルガー海戦のドキュメンタリーなどに使われていて知っていたのですが、1982年制作の古い作品なので、VHSも出ていなかったのですが何時の間にやらDVDが出ていました。
全体は4話構成、第1話はネルソンの妻ファニーの視点で語れられ、第2話はサ・ウィリアム・ハミルトン、第3話はネルソンの艦長トーマス・ハーディ、第4話はHMSヴィクトリーの一水兵の視点で語られます。
古い作品ですけど、恐ろしく時代考証が正確です。少なくともネルソンやトーマス・ハーディや王国海軍士官の制服は文句のつけようが無いです。HMSヴィクトリーの砲列甲板での戦闘シーンの描写もこれ又見事。号令ひとつひとつと水兵の動き、破片で次々と負傷する海尉に水兵、死んだ水兵は砲門から海へドボン、戦闘準備のシーンではグレート・キャビンの隔壁を取り外すシーンもあります。敵艦隊の戦列まで突入するまでの空いた時間では水兵のホーンパイプ・ダンスも見れます。ネルソン提督のチェレンク(トルコからの贈り物の帽子飾り)も見れました。惜しむらくはトラファルガー海戦がHMSヴィクトリーの一水兵の視点で語られているため艦内(砲列甲板とオーロップ)しかないことでしょうか、しかしネルソン提督がHMSヴィクトリーに乗艦するシーンはもしかして本物のHMSヴィクトリーで撮影されたのではないかと思えます。
あとエンマ・ハミルトンのアティチュード(白いモスリンのローブをギリシア風にまとって、あとは2枚のショールのみで古典の人物を演ずる演劇)を観ることもできたのは今まで文章でしか知らなかったので参考になりました。でも、エンマ・ハミルトンが美人に見えない、だって背景に映るジョージ・ロムニーのエンマ・ハミルトンの絵画とは似ても似つかない。「美女ありき」ではジョージ・ロムニーの絵をヴィヴィアン・リーの顔で書き直したものが使われていましたが、この作品ではそのまま模作された物が使われているようです。いくらなんでも本物ってことは、いや英国ならありえるかも。ネルソン提督役のケネス・コリーは雰囲気出てます。
TV映画「ホーンブロワー」映画「マスターアンド・コマンダー」以前にこのようなTV映画が作られていたとは驚きです。
しかし、イタリア語(ナポリ王宮シーン)すら飛び交うのに英語字幕無し、これには降参。ネルソン提督がお好きな方にはおすすめの作品です。うーん、海洋冒険映画を楽しむ会でやるかどうかどうしよう、英語字幕すら無いのでちょっとむりかな。
この作品とは別に1987年に「Captain James Cook」というTV映画があるのですが、これも時代考証が素晴らしい作品、ただしVHSもDVDも出ていません。なぜ知っているかというとその昔NHKBSで放映されたのを観たから、でも録画できなかったのです。これもDVDでないなかなぁ。
話はかわり今日やっと録画しておいた2009プロムス・ラスト・ナイト・コンサートを見ました。恒例の「ルール・ブリタニア」のシーンではメゾ・ソプラノのサラ・コナーがネルソン提督時代の提督のフル・ドレス+三角帽で登場、剣を抜いたら英国旗でした。でもウッド作曲「イギリスの海の歌による幻想曲」が演奏されなくなってましたこれは寂しかったです。
 

コメント 13 件

M.Bryant より:

只野さま
DVDジャケットのネルソン提督、よく似てますね。いろんな人がいろんなネルソン提督の肖像画を描いていますが、この俳優さんは、同僚の士官が描いた水彩画のネルソン提督のイメージにそっくりだと思います。
早速密林に注文してみようかと思います。
おなじような趣向の小説がありますので、紹介いたします。スーザン・ソンタグという女流作家の小説「火山に恋して」です。ネルソンとエマとハミルトンの三角関係を、それぞれの視点で描いた力作です。日本の密林で取得可能と思います。(もし、ご存じでしたらごめんなさい。)
興味深い作品をご紹介下さり、ありがとうございました。

只野四十郎 より:

Welcome aboard!M.Bryant様∠(^^)
アイ、ネルソン提督の肖像画集も持っていますけど良い雰囲気ですよ。ただポーツマスのネルソン・ギャラリーにある最新の研究によるネルソン提督の等身大人形とはちょっと違いますけど。
「火山に恋して」は持っていますけど1/3で挫折して積読状態です、スーザン・ソンタグ氏の力作なんですけど、日本語なのに何故か難しくて(アハハ)。加瀬俊一著「美女ありき」はスラスラ読めたのですけどねぇ、あ~この本絶版だなあ。
密林の在庫も少ないようなのでお早めにゲットしてくださいませ

 

BLANCA より:

只野さん、いつもご紹介ありがとうございます。早速日本の密林にオーダーしました。お取り寄せですが、米密林もストック数の後に”more on the way”とありますし、日本でも入荷は大丈夫だろうと、タカをくくっています(ダメだったらどうしましょう~)。
それにしても、イタリア語まで出てくるのに字幕無しですか~。ツラいですね(^_^;)

只野四十郎 より:

BLANCAさん、こんばんは。日本密林でもオーダーできるとは知りませんでした。まだ米国密林には5本在庫があるので大丈夫でしょう。
英語字幕無しは辛いですよ、1999年に初めてヨアン・グリフィズのホーンブロワーとシャープを観たときは原作を読んでいましたから字幕無しでもなんとかなりましたけど、久しぶりに字幕なしのドラマはきつかったです。ネルソン提督とハーディ艦長が言い争うシーンなんか聞き取れるともっと面白いのになあなどと思っています。英語字幕なしを除けばドラマとしては1級品ですので、楽しめると思います。

BLANCA より:

「I Remember Nelson」、本日到着しました!
早速、最初の20分ほどを観てみましたが、のっけからの劇中劇に大ウケしてしまいました。つい先日、宝塚版のダイジェスト映像を観たばかりでしたので、相乗効果でなおさら…(笑)
それにしても、少し観ただけでも、制服やその他ファッション風俗はいいですね。英語との格闘は大変ですが、早く最後まで観たいです。楽しみ!

只野四十郎 より:

おお、到着しましたか、英語が字幕なしをでちょっと大変ですが存分に堪能してください。
冒頭の劇中劇は私も思わず「おお!」とうなりました。ナポレオンがあの当時の戯画にそっくりなんですよね。風俗も考証が素晴らしいです。

宝塚があの劇中劇の感じだったら・・・ファンからどつかれますね。
 

CCM より:

こんにちは。
遅ればせながら、"I Remember Nelson" をクリックしようかと思ってますが、字幕なし。。。。すくなくとも米国版はかならずClosed Captionが付けられていると思ってました。 
うーん、、、と考えて、ただ今VHS版を調べ中。 こちらはおそらくCC付きのはずだと思います。
ところで、先日映画館で宝塚のチラシをみて「・・・!」でした。 ベルばらを思い出しましたね。。。
おもわず3枚お持ち帰りしました。WWWW

只野四十郎 より:

CCMさん、こんにちは。VHS版も出ていますがClosed Caption付とはかいていないですねえ、画質と保存を考えたらDVDの方が良いと思いますよ。英語字幕がなくても楽しめる作品です。迷わすクリックしましょう(笑)

CCM より:

Prynhawn da!
アドバイスに従ってDVD版をクリックしました。
「Market Place やすいじゃーん」と思ってたら、Delivery Estimateがなんと8月です・・・。
2ヶ月もかかるとはStandard Shippingって船便なんでしょうか?
がっくりです。
ちなみに、TVシリーズだったらオリジナル放送時はCCは必ずついているので、DVDにも隠されてるかなぁ・・・なんてうっすら期待。。。過去にもケースに記載されていないことがありました。
ともかく、8月まで待つしかありません。

只野四十郎 より:

CCMさん、期待を壊して申し訳ないのですがClosed Captionもついていないです。
AMAZONのStandard Shippingは航空郵便扱い(1week)ですけどなんでしょう、到着予定8月って

CCM より:

そっか!
わかりました。1982年なんですね。
そりゃCCないですよね。 只野様、ありがとうございます。
それにしても、Amazon.com Market Placeは送料高いし、時間かかりすぎ。 業者にP&Pで実質もうけさせる魂胆なんでしょうか。 とにかく、待つのみ・・・です。

CCM より:

こんにちは。
納期2ヶ月、8月着と通知が来ていた"I remember Nelson"DVD がなんと1週間で届きました。
いい加減ですねぇ。
お騒がせしました。m(_ _)m
ともあれ早速 episode 1見てみました。
うーん、妻といい、愛人といい、地味な俳優さんですね。
セット撮影のライティングが強くて、80年代してます。www!
続きを明日から毎日1つずつ見ようと思います。

只野四十郎 より:

早く届いて良かったですね、確かに俳優さん地味ですけど良い作品だと思います。
比べてはいけないのですけど、1988年に作られたNHK大河ドラマ「武田信玄」をヒストリーチャンネルで放送しているのですが、見ていてガックシきます。NHKなのにこのレベルかよ~って感じ。
ホームズ、ポアロを筆頭に英国のTVドラマは凄いです。

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