Captain's Log
2008/12/20 土曜日

「テメレア戦記 II 翡翠の玉座」が発売されたので、早速書店に飛んでいって購入、帰宅して一気読みをしてしまいました。
「翡翠の玉座」も面白い!!

 前巻「気高き王家の翼」で、テメレアは中国皇帝からナポレオン皇帝に送られたものを、ローレンス指揮の艦でフランスのフリゲート艦から拿捕、フリゲート艦上で孵化してしまい、ローレンスがやむなくテメレアの担い手となり、厳しい訓練の末、ドーバーの戦いでナポレオンの英国侵攻に勝利、しかもテメレアが中国最高のドラゴン、セレスチャルとわかったわけですが、「翡翠の玉座」はフランス皇帝に送った卵を英国に奪われプライドを激しく傷つけられた中国外交使節が早速「テメレア返せ~」と英国にやってきたところから始まります。
 物語の始まりは、Admiralty(海軍省、海軍本部)の委員会室、時の第一海軍卿バーラム卿が中国(清)のヨンシン皇子に卑屈な態度で応対中。中国側はとにかくテメレアの待遇の悪さに立腹、とにかくローレンスと分かれさせ返せと要求。バーラム卿は、中国との貿易を維持するため関係悪化を嫌う英国政府の意向を受け、ヨンシン皇子のいいなりに、ローレンスからテメレアを分かれさせロンドンの基地に軟禁状態におき、テメレアだけ中国に返そうとしています。しかし、テメレアはローレンスと分かれる気も中国に帰る気もはなく、ローレンスにもその気はありません。
 テメレアとローレンスの説得につかれ、絆の硬さを知った、バーラム卿はローレンスともどもテメレアを中国に向かうよう命じます。かくして、テメレア、ローレンスとグランビー以下クルー一行は輸送艦アリージャンスに乗り込み中国使節一行とともにはるばる中国までの航海にむけ出港。大西洋を南下、喜望峰をまわり、インド洋、マカオ、中国の広州を目指します。
 ここでうれしいのはアリージャンスの艦長が、1巻に登場したローレンスの部下であり友人ライリー艦長。しかしいまや互いに一団の長として部下をもつ身、職務上譲れない関係も出てきます。さらにローレンスの父親の政治活動が原因でより休戦状態にあるとはいうものの深い溝もあるのでした。さらに若いのに中国語に堪能な若い外交官ハモンド、何事にも動じないドランン医のケインズ。
 テメレアをローレンスから引き離そう、中国の魅力のとりこにしようとするヨンシン皇子も絡んで面白い人間ドラマが繰り広げられます。

 航海は順調に船出したと思ったら夜中の海上でフランスのドラゴンとフリゲート艦に襲撃されあやわの事態に、しかしテメレアの「神の風」と騎兵隊(ハーコート空佐率いるリリーのドラゴン戦隊に救われるは、逓信竜ヴォルテラスがはるばる飛んできたのは良いが、テメレアが風邪引きのヴォリーに風邪をうつされわ、インド洋でサイクロン並みの嵐に遭遇するわ、大海蛇(蛟竜)に襲われるわ、物語に事欠きません。
もちろん中国に到着してもヨンシン皇子の謀がローレンスに仕掛けられます。

 そして中国に到着するとそこは英国の何倍もの数の竜が自由に生活、北京では竜が自由に街を歩き回っています。かつ高貴な竜はうまやわれ、戦闘などに従事することなく身を宝石貴金属で飾り、詩と学問をたしなむ世界。
 前巻「気高き王家の翼」と英国では竜は人間と会話はできるものの人間に従属し飼われる存在でした。そして空軍に属しない竜はいませんでした。しかし中国では人間と竜は対等に生活し、竜は自分で仕事をし生活の糧を求めています。この世界を知ったローレンスとテメレアはいったい・・・単純に面白い物語だけではなく、人間と竜の関係に深みが増した物語にもなっています。

 そうそう、中国の竜は、翡翠色、ブルー、クリムゾンなど色とりどりで映像化されたらカラフルで楽しそうです。

 で、ローレンスとテメレアはどうなったかって、それは読んでのお楽しみ。

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