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本年も相変わらずのサイトになりそうですが、よろしくお願いいたします。
さて、管理人一押しの「テメレア戦記II 翡翠の玉座」をすでに読まれた方も多いと思います。あとがきを読まれた方はご存知と思いますが、翻訳チェックのお手伝いを少しさせていただきました。はじめてのことでしたが翻訳家さんというのは凄いですね。 テメレア日本語版も原書同様一般のファンタジー読者が対象なのですが、原書はそんなことおかまいなし、ホーンブロワー、オーブリー、キッドなど同様海事の専門用語がばんばん登場しますし、階級社会である軍隊の上下関係もはっきり読み取れます。これ英語の一般読者も、ホーンブロワー、オーブリーとか読んでいないと理解できないのではと思うくらい。
帆船小説の翻訳で有名な御大は、ホーンブロワー最初のころに訳語に苦労されたことを書いてみえますが、テメレアでは那波さんは見事に一般ファンタジー読者でも読んでいて戸惑うことのない物語に見事に翻訳してくださいました。そのすばらしさには賛辞をお送りしたいと思います。
と、書いておいて「翡翠の玉座」での原作者ノビックさんのおかしな設定がアリージャンス号。
キールが鉄製なのにはおどろかされましたが、帆船に限らず、船は浮かんだ上体で前後左右のつりあい(ツリム)が取れていないと、操船に問題が起きます。そこで不思議なのが、アリージャンスがフランスのドラゴンに襲われたとき、テメレアが飛び立ち、その後、船を操船していること。テメレアは20トン、飛び立つ前は釣り合いが取れていたとすると、艦首から20トンもの重量が無くなれば、いくら全長が400フィートあろうと、喫水が20フィートあろうが、艦首が浮き、艦尾が沈みます。この状態では直進性が強くなり満足に回頭できないでしょう。艦内では戦闘準備にあわせて20トン分の重量移動が行われたのですかね? 不思議です。
ドラゴン用の甲板はフォアマストの前、艦首部とされていますが、HMSヴィクトリーでもテメレア1頭といえども寝そべるスペースは無い。したがって、アリージャンスでは、フォアマストが通常より後方に位置していたのだろうと推測するのですが。それでもメインマスト、ミズンマスとのバランス、重心点を考えるとそれほど後方に位置することはできないだろうと思います。いっそのことメインマストとミズンマストのケッテ型のほうが艦首部を広く取れるので良いのではと思っているしだい。
しかし、もうひとつ疑問点があります。仮にケッテ型としてもバウスプリット根元からメインステイ、フォアステイなど各ステイがマストに向けて何本も張られ、しかもステイスルも張られるのです。そして、各ヤードからの動索も張られ索具のくもの巣状態なんですねぇ。一体テメレアほどの巨体のドラゴンがどうやって離発着できたのか謎です。
2022年7月6日 08時55分35秒
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