Captain's Log
2005/10/18 火曜日

3日目の本日は、チャサム・ヒストリック・ドックヤードに行ってきました。
ポーツマス・ヒストリック・ドックヤードとは異なり、ここはすでに王国海軍の基地ではありませんが、ジョージ3世時代に作られ、HMSヴィクトリーが建造された場所です。
ロンドン南東、列車で約1時間、メイドウェイ川沿いにあります。17世紀の英蘭戦争時にはオランダ艦隊に停泊中の王国海軍艦隊が襲撃されたのがメイドウェイ川。河口はテムズ川の南にあります。そういえばラミジ・シリーズにもよく出てきます。ラミジ自身はコーンウェルの出なのに、ロンドン南東ケント州周辺が舞台の描写が多い。

すでに海軍基地ではないため敷地のほとんどが、チャサム・ヒストリック・ドックヤードとして一般者が入れます。なので、ポーツマス・ヒストリック・ドックヤードと比較すると見る場所がとにかく広い。

ここのミュージアムはポーツマスのそれと比較すると展示物は劣りますが、ローレンス・オリビエ、ヴィヴィアン・リー主演「美女ありき」のトラファルガー海戦のシーンで使用されたHMSヴィクトリーの巨大模型(全長7メートルくらい)が、きれいに修復されて展示されています。もちろんマスト、ヤード、セイル付。細かな部分は実物とかなり異なりますが、WW2中に作られた物ですからツッコミ入れても仕方がない。

建物は、ジョージ王朝、ヴィクトリア王朝時代の物がそのまま残っており、時代映画、TV、ドキュメンタリーの撮影などにもよく使用されるそうです。アドミラル・ハウス、コミッショナー・ハウスは中の見学はできませんが、素晴らしい建物です。

海軍のドックヤードでしたから、ロープ製造工場があるのですが、今でもロープの製造、販売を行っています。その工場も見学できますが、とにかく建物が長い、端から端まで1128フィート(約338メートル)あるそうです。木造帆走軍艦時代のロープ製造も展示されていて感じがつかめました。

ここでもトラファルガー200に併せて特別展示が行われていますが、旧モールド・ロフトの建物を使い、木造帆走軍艦時代のドックヤード仕事の様子が再現展示がされています。
木造帆走軍艦のプランク(外板)を曲げるため蒸気で蒸す装置はちょっと他では見れないのではないかな。また砲74門艦HMSヴァリアントを建造するという内容で展示が行われているのですが、艦首部分のフレームがほぼ実物大で再現、舷側の填はだ打ち込みの様子も実物大で再現するなど結構気合が入っています。もちろんモールド・ロフトでの48分の1図面を実物大に床に描き、ティンバー、フレームなどの型を起こすシーンも再現されています。ちなみにこの旧モールド・ロフトの建物を調査したところ、梁などに解体した木造帆走軍艦のティンバーが使用されていたことが判明したそうです。

22ここのNo.2ドックでHMSヴィクトリーが建造されたのですが、もちろん見てきました。現在は水が張られHMSキャバリア(WW2当時の唯一残る王国海軍の駆逐艦)でが保存されていますが記念碑が建てられています

 

 

 

 

 

 

 

 

 

23ヴィクトリア王朝時代の機帆走スループHMSガーネットも別のドックに復元保存されています。ずっと倉庫として使用されていたため外観はマスト、ヤード、リギン、大砲など復原されていますが、艦内は空っぽでした。

チャサムの駅からは歩いて20分以上かかる場所ですが、ロンドン・ヴィクトリア駅から1時間かからずに着きますので、興味のある方は一度訪れてもよい場所かと思います。

明日はウーリッチの王国砲兵隊博物館に行く予定でしたが、月曜日と火曜日は休館日でした(事前調査不足)、なのでウェストミンスター寺院、セント・ポール大聖堂などを廻る予定です。

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