「French Warships in the Age of Sail 1786 – 1861: Design, Construction, Careers and Fates」が到着いたしました。
一緒に写っているのは、この本のルーツともいうべきDavid Lyon氏の「The Sailing Navy List All the Ships of the Royal Navy」です。
「French Warships in the Age of Sail 1786 – 1861: Design, Construction, Careers and Fates」は書題のとおり1786年から1861年の間にフランスで建造された木造帆走軍艦一隻一隻のデザイン、建造、就役記録、運命を網羅した凄い本なのですが、その始まりはDavid Lyon氏の「The Sailing Navy List All the Ships of the Royal Navy」にあります。
David Lyon氏の「The Sailing Navy List All the Ships of the Royal Navy : Built,Purchased and Captured- 1688-1860」は、1993年にDavid Lyon氏の長年に及ぶ研究の成果としてConway Maritime Pressから1,000限定で刊行されました。私が持っているもはNo.938です。
書題から解るように1688年~1860年の間に王国海軍で就役した戦列艦、フリゲート艦からガン・ボートに至るまで全ての何千という艦艇が何時、何処の造船所で建造され就役し、そのサイズ、兵装、いつ廃艦になったかが細かく記載されています。もちろん戦争で拿捕し就役したフランス艦や購入し軍艦として就役した東インド会社の船も含まれています。National Maritime Museumに収蔵されているシップ・プラン(線図)やThe National Archiveに収蔵されている海軍本部(Admiralty)の資料を丹念に調べ、その成果として発表された物です。
王国海軍で就役した軍艦の艦名、艦種についてはJ.J. Colledge氏の「Ships of the Royal Navy: The Complete Record of All Fighting Ships of the Royal Navy from the Fifteenth Century to the Present」があります。これはこれで凄い本なのですが、木造帆走軍艦時代の軍艦の建造記録として「The Sailing Navy List All the Ships of the Royal Navy : Built,Purchased and Captured- 1688-1860」は一級の資料です。
ちなみに木造帆船模型をスクラッチ(自作)される方はこの本があると、National Maritime Museum収蔵のシップ・プラン(線図)を購入するのにとても便利です。
1997年に2版が刊行されましたが、絶版、プレミアが付いています。
J.J. Colledge氏の「Ships of the Royal Navy: The Complete Record of All Fighting Ships of the Royal Navy from the Fifteenth Century to the Present」艦名、その艦が王国海軍において何代目かを調べるのにとても便利な資料です。戦艦だけではなく潜水艦、コルベットなどの小型艦まで載っています。
そして、David Lyon氏の研究を引き継がれたのがRif Winfield氏。
David Lyon氏と共著で「The Sail & Steam Navy List: All the Ships of the Royal Navy, 1815-1889」を2004年に発表しています。この本は、 「The Sailing Navy List All the Ships of the Royal Navy : Built,Purchased and Captured- 1688-1860」の続きともいうべき資料で蒸気帆走軍艦時代の王国海軍艦艇の記録です。
Rif Winfield氏はさらに研究を進め、より詳細な記録を記した一連の著作を刊行しました。
「British Warships in the Age of Sail 1603 – 1714: Deign Construction, Careers and Fates」
「British Warships in the Age of Sail 1714-1792: Design, Construction, Careers and Fates」
「British Warships In The Age Of Sail 1793-1817: Design, Construction, Careers and Fates」
「British Warships in the Age of Sail 1817-1863: Design, Construction, Careers and Fates」
王国海軍軍が何時、何処の造船所で建造され就役し、そのサイズ、兵装、いつ廃艦なったのかだけではなく、その艦の就役記録まで記載されています。ですから、就役後の歴代艦長の名前、参加した戦闘、どこの海域派遣されたのかが解ります。おそらく「The Naval Chronicle」、Wm. Laird Clowes氏の「The Royal Navy」、William James氏の「The Naval History of Great Britain」などの記録も丹念に調べられたのでしょう。
Rif Winfield氏の研究はついにフランス艦までにおよび、
2015/9/16に「French Warships in the Age of Sail 1786-1862: Design, Construction, Careers and Fates」が刊行された次第です。いや~、この本があると、王国海軍が拿捕したフランス艦が何時どの造船所で建造されたのかが解り大変助かります。でもどこに記録が残っていたのですかね? パリ、シャイヨー宮の海洋博物館、それともブレスト、ツーロンの海洋博物館でしょうか。シップ・プラン(線図)も多く掲載されており研究の綿密さが解ります。しかも、英語なので、解る。フランス艦の資料は「ブードリオの74門鑑」4冊を持っているのですが、フランス語なので読めない、線図、イラストを目で楽しむことしかできませんでした。それに「ブードリオの74門鑑」は架空の戦列艦ですからねぇ。
続けて、スペイン、オランダ海軍の記録まで刊行してしてくれることを期待しています
2022年7月6日 08時55分35秒
2022年7月5日 13時11分30秒
2018年4月28日 02時13分09秒
2016年2月19日 11時36分16秒
2016年2月19日 02時40分15秒
2015年10月10日 05時24分33秒
2015年7月20日 03時30分30秒
2015年7月20日 03時13分11秒
2015年5月30日 06時44分58秒
2015年5月30日 05時42分52秒