Captain's Log
2005/11/16 水曜日
カテゴリー: 参考資料じゃないけれど | (閲覧 :865) |

数年前になるが、ザ・ロープの帆船模型展示会に「イクティオネ2」というスペインで実際に作られた、初期の潜水艦の内部構造が解る模型が展示されたことがある(今年の30周年記念展示会にも出展されていた)。
帆船模型展にこの潜水艦模型が展示されたとき、この潜水艦については何も知らなかったので、この模型を観た私をはじめとする数名が掲示板で、どうやって「負の浮力」を得たのか、トリムはどうとったのか、スクリューを動かす動力らしいものが載っているがどのようなエンジンなのか、酸素はどうしたのか、乗組員の吐き出す二酸化炭素の処理は等などとやり取りしたことがある。もし、模型製作者の関口氏が掲示板を見ていたら、さぞかし苦笑していたに違いない。そういえば、展示会場の模型の前でも模型を見ながらもやったっけ。

で、今日本屋に寄って見つけた本が、この潜水艦を設計開発したモントゥリオールと潜水艦について書かれた「1859年の潜水艇―天才発明家モントゥリオールの数奇な人生」。
ざっと、飛ばし読みしてみたが、この潜水艦は二重耐圧船殻、酸素発生装置、二酸化炭素吸収装置、バラスト・タンクなどを備え、実際に人力動力で水中航行を無事行い、化学反応によって動く水中蒸気エンジンでの航行にもほとんど成功していたのだ、1859年にである。有名な南北戦争でのハンレーよりも前の話である。
そして面白いのが、モントゥリオールが空想社会主義革命家であり戦争のために潜水艦を作ったのではないということ、海底での探検、海底牧場など水中でのユートピアとも呼べるものを追い求めて作ったのである。
じっくり、腰をすえて読む価値のある本だと思う。しかし、その前に積読の山を何とかしないと・・・(^^;;

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